昔の長さの単位

いけばなを勉強していると「尺」とか「寸」とか古い単位によくぶつかりますよね。今はセンチ、メートルを使っていますが、古い単位も知っておくと便利です。

「明治立花は標準が総丈四~五尺」
「込藁の淵は花瓶口から五分下がり」
「四間床に飾られた大砂物」
今でも耳にすることがあるかと思いますが、それぞれどのくらいの長さがわかりますか?

まず、尺を基準にしてそれぞれの単位の関係を知りましょう。

1丈(いちじょう)=10尺
1間(いっけん)=6尺
1寸(いっすん)=1/10尺
1分(いちぶ)=1/10寸=1/100尺

では1尺はどのくらいの長さでしょうか。

厳密に言うと、尺は時代や地域により長さが変動するのですが、明治時代に確定した長さを一応知っておくといいと思います。

1尺=10/33m(約30.303cm)です。大雑把に30cmと覚えておけば十分です。

というわけで、明治立花の総丈は4~5尺=120~150cm、僕らの身長に近いぐらいの大きな花が標準だったのですね。込藁は花瓶口から5分=1.5cm下げます。これは剣山にも応用できます。前田亭の大砂物は4間=7.2mの床に置かれたんですね。四畳半一間の僕の家にはとても入りません。

いけばなでは重要なのは相対的な釣合なので、あまり厳密に絶対的な長さを計ることはないのですが、大体の目安として知っておくといいですね。