
桃

桃
桃はいけばなではよく梅と対比されます。桃は女性らしく、梅は男性らしく生けるとよいと言われます。これはそれぞれの特徴を捉えて生けなさいという意味です。桃は枝の分かれ目が丸みを帯びており、柔らかく優しい雰囲気です。それに対して梅は枝が鋭く出て、木肌もごつごつしており、力強く荒々しい雰囲気です。そのことを例えて、女性らしく男性らしくと言っているわけです。
この2作はそれぞれ男性と女性が生けたものです。男性の方は初老のダンディーな紳士、女性の方は妙齢の素敵な淑女です。どちらが男性の手によるもので、どちらが女性の手によるものか分かりますか。生け手の性別によらず、どちらの作品も桃の特徴をよく捉えていて、可愛らしく入っていると思います。芸の力って面白いですね。
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カテゴリー: お弟子さんがお稽古でいけた花
タグ: 生花正風体