雪月花

生花正風体
燕子花

雪月花という伝統的な花器に燕子花を生けられました。前々から生けてみたくて購入していたものの、やる機会がなくずっとしまっていた物を持ってこられたそうです。念願の初挑戦です。

この雪月花という花器は、釣り手の部分が雪輪を意匠化したもので、下の丸い皿の部分が月を表現しています。そこに花をいけて雪月花となるわけです。なんとも風流な器ですね。

釣花ですから、真に靡くものや垂れる物を使います。燕子花が優雅に靡いている姿を上手にいけ表せましたね。葉の流れがとても美しいです。

生花正風体
燕子花
生花正風体
燕子花

もう一作、雪月花ならではの遠池生けも勉強されました。通常の釣り生けは靡く姿や垂れる姿をいけます。しかし、雪月花は釣りの花器でありながら広口の水盤であるという特性から、置き生けの二株生けと同じような生け方もできるわけです。ただし、釣り手があるので、その中に納めます。そのため、とても小さくなります。これを遠くの池の景色と見立てて遠池生けと消しているのです。

釣り手の中の狭い空間で作業をするので、技術的にとても難しいのです。よく頑張られました。