稽古場より 2020年10月

教室の様子など

すっかり秋ですね。植物が冬に向けて最後の輝きをはなつ季節です。色とりどりの花や色付いた葉など色彩豊かで美しい花材が目を楽しませてくれます。一方で、寒くなりなんとなく物悲しい雰囲気もあります。いけばなでも少し枯れたような詫びしい風情の作品が多くなるような気がします。

稽古の花

お弟子さんが稽古でいけた花です。

生花正風体
つるうめもどき、藤袴、竜胆
生花正風体
つるうめもどき、藤袴、竜胆

二重いけといういけ方です。竹を切って作った花器で、上と下の二つの口にいけることができます。上の口は高い場所にあるので、垂れるものや靡くものをいけます。大きく垂れ下がるつるうめもどきの枝を上手にいかせていますね。難しいいけ方ですが、よくがんばりました。

自由花
すすき、鶏頭、ルスカス
自由花
すすき、鶏頭、ルスカス

すすきが伸びやかに入っています。秋風に揺れるすすきの風情が感じられます。いけばなの稽古をしてまだ1年も経っていない方ですが、上手にいけられました。

生花正風体
つるうめもどき、寒菊
生花正風体
つるうめもどき、寒菊

「月」という花器にいけています。満月を象った花器で、これに花をいけて月明かりに煌々と照らされた草花の風情をあらわすのです。いけ方は先ほど出てきた二重の上口とほぼ同じです。奔放に暴れたつるうめもどきの動きを上手にいかした作品になりました。

生花正風体
燕子花
生花正風体
燕子花

燕子花は四季折々のいけ方があります。秋ともなると葉が乱れ、哀れな姿になります。枯れた葉や曲がった葉を交えてそのような風情を表します。なんとも言えない味わいのある作品になりましたね。

生花正風体
燕子花
生花正風体
燕子花

いけばなは生の花を扱います。生きているものは同じものは1つとしてありません。同じ燕子花をいけても、全く同じ作品にはならないのです。先ほどの燕子花と比べてみてください。この方は11月に行われる「旧七夕会池坊全国華道展」に出瓶するために特訓しているのです。

生花正風体
葉蘭

生花正風体の教科書である『華かがみ生花栞の巻』に「葉蘭は稽古始の品にしてこれに依り研究を怠らざれば能く花の形を会得するなり」とあります。僕のところでは、生花の初歩の方はまず葉蘭から始めます。そして、初歩の方だけでなく、ある程度生花に慣れている方も基本に立ち返る意味で、時々はこの葉蘭を稽古します。

生花正風体
赤芽柳、小菊
生花正風体
赤芽柳、小菊

葉蘭で生花の陰陽を理解したら、次にこの柳で生花の線を体に叩き込みます。秋はこれを何度も繰り返し稽古します。

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