あっという間に2020年も終わりです。例年12月はこの時期ならではの万年青や松竹梅に挑戦します。師走という言葉のとおり、いけばなの師匠も大忙しで、ばたばたと年が暮れました。このような社会情勢の中でも稽古に通ってくれたお弟子さん達に感謝です。2021年も皆と楽しく花をいけたいと思います。
稽古の花
お弟子さんが稽古でいけた花を紹介します。

松、竹、梅
松竹梅は日本では昔からとてもめでたいとされてきた組み合わせです。池坊でも大変にめでたいものとされ『五ヶ條』という伝花の一つになっています。特殊ないけ方が定まっており、とても難しいのですが、皆さんこの時期に意欲的に挑戦されます。竹を真に使い、清々しい雰囲気に仕上がりましたね。

万年青
こちらもめでたい花で、正月を迎えるのにもふさわしいものです。昔はよく婚礼の席にいけられたそうです。立ち上がった葉が新しく出た葉の株、その周りの靡いた姿の葉が、新しい株に押されて倒れた古い葉の株を表現しています。青々とした葉が途切れることなく続く様子を表しているのです。濃い緑に赤い実が映えます。

グロリオサ、トルコ桔梗、梅
黄色いグロリオサを盛るように入れて、明るい雰囲気の作品になりました。紫のトルコ桔梗一輪が効いていますね。

グロリオサ、トルコ桔梗、梅
上の作品と同じ花材の組み合わせですが、見方が違います。グロリオサを立ち上げて茎を見せることで、上に向かって伸びる動きが感じられます。扱い方次第で全く別の作品になりますね。

水仙
冬の定番、水仙です。凛とした素敵な花ですね。

水仙、金盞花、著莪
同じ水仙でもこちらは立花という様式です。水仙の様々な姿を一瓶のうちに取り混ぜて表現します。制作にとても時間がかかりますが、よくがんばりました。

ウーリーブッシュ、ばら
ウーリーブッシュを並べることで、一つの調子が生まれました。ばらとの出会いが素敵ですね。

沖縄著莪、トルコ桔梗、シレネ、ゴッド
沖縄著莪が伸び伸びと入っています。素直でいい作品です。いけばなを始めてからもうすぐ半年、ずいぶん上達しました。

ユーカリ、アンスリウム、ルスカス
ユーカリの柔らかい表情がいいですね。アンスリウムの動きがそれによく合っています。始めて間もない方ですが、素敵に入りました。
雑多なこと
富士山の山頂に日が沈むダイアモンド富士を見に行ってきました。富士山ってなんだかいいですよね。

ダイアモンド富士が見られるのは冬至の前後ということで、12月21日に行きましたが、実は12月の頭にも高尾山へ行ってきました。終わりかけでしたが、ところどころに残る紅葉が美しかったです。



上旬に訪れた神宮外苑の銀杏並木も散り掛けでした。季節は巡ります。いよいよ厳しい冬がやってきます。


