ガムシャラになれる幸せ

「上手くなりたい」その一心でここまでやってきました。目に見える成果ってなかかな出なくて、もどかしかったり悔しい思いをすることが多いのですが、それでもやめようと思ったことはなくて、ずっと花をいけ続けてきて、今もいけています。なぜこんなにもむきになってやっているのか自分でもわかりませんが、年がら年中いけばなのことを考えて暮らしています。

「ガムシャラになれる幸せ」

これは名作『スラムダンク』のコミックの帯文句です。

僕はまさにその幸せを噛み締めています。順風満帆ではありませんが、とにもかくにも熱中できることがあって、それをやれているって、これ以上のことはないですね。ふらりと迷い込んだ世界ですが、こんなにものめり込むことができたのは幸運でした。

もちろんいけばなの楽しみ方は人それぞれです。必死で上達しようとすることだけが全てではありませんが、僕のお弟子さん達は、僕がそうだからなのか、上手くなりたいと強く思って稽古に励んでいる方がわりに多いような気がします。

はたから見ると、ただ花をいけるということに、何をそこまで真剣になれるのかと思われるのかもしれません。僕自身も、お弟子さんを見ていても、不思議に思うこともあります。こればかりは、その人に合っているかどうかだと思います。すごくやりたかったですと始めても結局続かない人もいれば、僕も含めてなんとなく始めた人がどっぷりはまることもあります。いけばなは、万人におすすめできるとは言いませんが、ある人にとっては何か特別な魅力があるのです。

なんだか面白そうだなと興味が沸いた方はぜひ体験にいらしてください。絶対にはまるとは保証できませんが、合う人には合うと思います。もし自分にとってガムシャラになれるものだったとしたら、もうけものだと思いませんか。