新しい花を伝統的な様式でいかす

生花正風体
ブバルディア
生花正風体
ブバルディア

ブバルディアを生花正風体にいけました。可愛らしい中にも品のある作品になりました。

生花(しょうか)というのは江戸時代の中期に発生し、明治時代には型が定まり、生花正風体が確立されました。当時も外国から入ってきた植物はありましたが、日本に自生している植物がほとんどで、それらをいけることを前提にして考えられた型です。

このブバルディアは日本に入ってきたのは昭和初期ということですから、生花正風体が確立された時期にはまだ日本にはなかったと思われます。ですから正風体制定当時の人は、このような作品を見ることはなかったでしょう。しかし、今は普通に流通している花ですから、積極的に取り入れていいと思います。恐らく、当時この花があれば、当時の人もいけたのではないでしょうか。

伝統的な型であっても、できた当初のものを復元するのではなく、新しい材料も積極的に取り入れることで、さらに内容が豊かになると思います。こういう花にも積極的に取り組みたいと思います。

この時期は花木が終わり、燕子花には少し早く、伝統的な花材では生花にできる花材が見当たりません。そんなときでも、外国由来の新しい花材に目を向けると、使える花材はたくさんあります。偏見を持たずに、外国生まれの新しい花材にも積極的に挑戦すると、思わぬ美が生まれるかもしれませんね。