
これからいけばなを習ってみたい、ちょっと興味があるけどどのように教室を選んでいいのかわからない、という方のためにいけばな教室の選び方をお伝えします。
3つの観点、何に重点を置くのか
いけばな教室を選ぶ際には、大きく分けて次の3つの観点で考えるといいでしょう。
- 作品
- 先生の人柄や教室の雰囲気
- 通いやすい条件(費用や日程など)
この3つの観点を基準にして、自分にとって何が一番重要なのかをよく考えて優先順位を付けるといいと思います。
例えば作品の質重視で、こういう雰囲気の花をいけられるようになりたい、そのためには月謝は少々高くても構わないという方もいるでしょう。あるいは仕事帰りに通いたいから場所が1番大切という方もいるでしょう。全ての条件がぴったり合うというのが理想ですが、自分はどういう点を特に重要だと感じているのかを整理しておくと、情報を集めたり見学や体験に行った際にも判断がしやすくなると思います。
1.作品
一口にいけばなといっても、流派によって、また同じ流派でも先生によって作風は全く異なります。せっかくいけばなを習い始めても、自分が気に入らない作品ばかりいけていたのではつまらないですよね。通いたい教室の候補がある方は、事前に先生の作品やお弟子さん達の作品を見て、自分の好みに合っているかを調べておくといいでしょう。最近ではホームページやinstagram等のSNSで作品写真を公開している先生も多いです。また、見学や体験可能な教室も多いので、実際に生の作品を見てから検討するというのもおすすめです。
漠然といけばなには興味があるけど、候補の教室もなくて、そもそも選び方がわからないという方もいらっしゃるでしょう。そういう方は、ピンポイントで好きな作風の先生を探すか、先生より先に流派を決めるという方法もあります。
好きな作風の先生を探す
まず、ピンポイントで好きな作風の先生を探す方法です。花展(いけばなの展覧会のことをこう呼びます)で生の作品を見るのがベストですが、世の中には沢山のいけばなの先生がいて、全部を見るというのは不可能です。インターネットを活用しましょう。
画像検索で「いけばな」「華道」などのキーワードで検索すると沢山の作品写真が出てきます。好きな花がある場合は、例えば「ひまわり いけばな」などと検索して見ましょう。またinstagramで「#いけばな」など関連しそうなハッシュタグで検索するもおすすめです。
どういう作品がいい作品なのかわからないという声をよく聞きますが、自分が好きかどうかが重要です。自分の直感を信じて、好きな作品を探してみましょう。
僕のinstagramです。ぜひご覧ください。
taichi.inoue
好きな作風の流派を探す
次に、先生ではなく流派を決めるという方法を紹介します。いけばなには何百とも何千とも言われる流派があり、流派ごとに大まかな作風の傾向があります。自分の好みの流派を探してみるのも一つの手です。大きな流派はホームページを持っていますので、まずは検索してみましょう。作品写真だけでなく、流派の特徴が説明されているのでそれを読むのも参考になります。
写真だけでなく、花展に足を運べば実際の作品が見られます。写真と生の作品は全然違うので、ぜひ実物を見に行ってみてください。本部主催の大きな花展もあれば、教室の発表会のような小さな花展まで、全国各地で様々な花展が開催されています。気になる流派の花展が近くであればぜひ出かけてみましょう。花展の開催情報はインターネットで調べるか、流派の本部に問い合わせてみるのがいいでしょう。
自分の好みの作風の流派が決まったら、その本部に問い合わせれば近くの先生を紹介してくれます。あるいは流派が決まっていれば「池坊 いけばな教室 品川区」など検索もしやすくなりますね。候補の教室が決まっていない方は、まずは流派を決めてみるといいのではないでしょうか。
当教室は池坊いけばなを指導しています。池坊についての説明はこちらをご覧ください。
いけばなの根源、池坊の紹介
2.先生の人柄や教室の雰囲気
先生との相性や教室の雰囲気を重視したいという方も多いと思います。楽しくワイワイした雰囲気の教室がいいとか、ある程度厳しい先生がいいとか、それぞれ求めるものがあると思います。こればかりは実際に教室に足を運んで先生と会ってみるしかありません。ほとんどのいけばな教室は見学が可能です。また、体験レッスンを受けられるところも多いです。実際に自分の目で見て体験するのが一番です。気になる教室があれば、気軽に問い合わせてみましょう。
ただし、手当たり次第に体験に申し込むというのはいただけません。体験レッスンを実施している先生は、そのためにわざわざ花材を用意し、時間もとっているということを考えましょう。体験レッスンを受けて、結果としてその教室に行かないというのは全く問題はありませんが、最初から検討する気もないのにとりあえず体験レッスンだけ受けるというのは慎みましょう。
長く続ける上で、先生や教室の雰囲気が自分に合っているかというのはとても重要です。気になる教室が見つかったらまずは見学や体験に行ってみましょう。
当教室では全2回で完結する体験レッスンを実施しています。いけばなに興味がる方はぜひ気軽にお越しください。
いけばな短期トライアルレッスン
3.通いやすい条件(費用や日程など)
稽古を続けるには費用や日程などの条件も大切ですね。最低限の情報として、月々どのくらい費用がかかるのか、稽古の日程はどうなっているのかは確認しておきましょう。最近はホームページで詳細を公開している教室も増えました。ホームページ上には情報がない教室も電話やメールで問い合わせれば教えてくれますので気軽に質問してみましょう。
いけばなを習うのにかかる費用
一般的にいけばなを習う際にかかる費用としては、月謝と花材費があります。その他に入会金や年会費が別途かかるという教室も多いです。月謝だけで判断せずに、そのほかの費用も含めてトータルでいくらかかるのかを事前に調べて判断するといいでしょう。特に花材費は月謝に含まれている教室と別になっている教室があるのでよく確認しましょう。
また、月謝制の教室でも月の稽古回数が教室によって異なりますので、そこも確認するといいでしょう。一見月謝が安くても月に1回だけのお稽古というような教室もあります。自分がどの程度の頻度で通いたいのかという希望と、費用との釣り合いを考えて教室を選ぶといいでしょう。
また、最近は月謝制ではなく、1回いくらというようにそのつど受講料を受け取る仕組みの教室も増えています。一般的に月謝制の教室は、お休みをしても月謝は固定です。忙しくて定期的に通えないという方はそのつど受講料を払うような教室を選ぶといいでしょう。
当教室を例にとると次のようになります(月3回通った場合)。
毎月かかる費用 | 月謝16,500円+花材費1,500円×3回=21,000円 |
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入会金 | 11,000円 |
年会費 | 15,000円 |
稽古の日程
稽古の日程も重要です。教室によって稽古日が決まっています。毎週何曜日と固定の教室もあれば、月ごとにスケジュールを出している教室もあります。自分が通える日程なのかを事前によく確認しましょう。
また、振替が可能かどうかを確認しておくといいでしょう。稽古を続けていると、どうしても予定が入ったり体調を崩したりで行けない日が出てきます。そんな時に別の曜日や週に振替ができるのかどうかで通いやすさはずいぶん変わります。
ご縁
色々と書いてきましたが、最終的にはどの教室にするかというのはご縁だと思います。僕のお弟子さんになぜ僕の教室を選んでくれたのかを聞いてみても、先生の作風が好きでという方もいれば、たまたま近所だったからという方や、振替の日程が多いので来たという方など様々な理由が返ってきます。あまり難しく考え過ぎずに、気になる教室があればまずは行ってみて、よさそうだと感じれば思い切って始めてみましょう。
新しいことを始めるのには勇気がいりますが、一歩を踏み出せばきっと新しい世界が広がりあなたの人生がより豊かになりますよ。この文章を読んでくださったあなたが、いいご縁に恵まれて、いけばなを楽しんでいただけることを祈っています。